2010年7月3日土曜日

おおきな愛情



5月の中に来たツバメが飛び立っていった。今年は4羽無事に巣立った。

数年前のこと、ツバメが来て子供を5羽生んだ。3羽は順調に育ち、1羽はやや小ぶり、残りの1羽は とても小さかった。
なんとか4羽は飛び立ったが、小さきものは必死に飛び立とうとしたがおちた。巣に戻してみたが、またおちた。そのあと、驚いた、びっくりするくらいたくさんのツバメが集まってきた。みんなでぴぃ、ぴぃ、と大きな声を出して騒いでいた。何かの重要な会議をしているような光景だった。
翌日、どうなってしまったか心配だったツバメは奇跡的に地面の上で野良猫にもヘビにも襲われることなく、陰に隠れて生きていた。その後数日ものあいだ生き続けていた。しかたなく部屋に連れてきて、ジャコをあたえたが食べてくれない、それで草原で小さなバッタをとってきてむりやり、口をあけて1匹入れてみたらのみこんだ。その後はいくらでもほしがった。ペットショップで鳥の餌も買ってきて与えた。部屋の中にいることに気がついた親たちはいつまでも窓の近くを飛び回っていた。
4日後、少し力をつけたツバメの子は屋根から屋根へ伝いながらも飛んでいくことができた。翌日夕方、買い物から帰り、車を出ると、電線にツバメが3羽とまっていた。その中のいっぴきが ”ぴぃー”と鳴いた。それがあのツバ メだと確信した。
つぎの朝、そのツバメは、もとの巣の下に力尽きて落ちていた。
まだ暖かかった。埋葬した。
仲間のツバメたちは、また戻ってく ると思っているのか、飛び回り探し続けていた。部屋の窓も覗いていた。しばらくして電線にスバメの大群が集まった、もう出発しないと間に合わないのか、みんなで飛び去っていった。

ゆめみる織部工房群

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